コイン業界ニュース・コラム カナダ王立造幣局・ロイヤルカナディアンミントの雪の結晶コインについて
『PCGS Set Registry: Sparkling Snowflakes』
https://www.pcgs.com/news/sparkling-snowflakes
〇雪の結晶をモチーフにしたコイン
現在、世界中の造幣局が革新的な技術を駆使して美しい雪の結晶をデザインしたコインを発行していますが、その中でも特に多くの雪の結晶コインを製造しているのがカナダ王立造幣局・ロイヤルカナディアンミント(Royal Canadian Mint)です。
2007年にカナダ王立造幣局はスワロフスキー・クリスタルを埋め込んだ2種類の20カナダドル銀貨を発行しました。デザインはコンラッド・ワチェルコによるもので、一つはスワロフスキー・イリデッセント、もう一つはスワロフスキー・アクアマリンのクリスタルが使用されています。
表面にはエリザベス2世の肖像が描かれ、翌年以降もサファイア(2008年)、オーロラ・ボレアリス・ピンク(2009年)、タンザナイト(2010年)、ヒヤシンス(2011年)とシリーズが続きました。2012年には「ホリデー・スノーストーム」という、異なるサイズの雪の結晶をスワロフスキー・クリスタルで装飾した特別なデザインも登場しました。これらのコインは、PCGSセット・レジストリのカナダ銀貨記念20ドル クリスタル・スノーフレーク・シリーズ(2007-2013)に登録されています。
〇雪の結晶の科学と記録
雪の結晶の多くは六角形の対称性を持っていますが、まれに変則的な形や、二つの六角形が合体して12角形になるものも存在します。また、「同じ雪の結晶は二つとない」というのは本当で、大気中の温度や湿度の変化により、一つひとつ異なる形になります。
最大の雪の結晶として記録されているものは、1887年1月28日にアメリカ・モンタナ州フォート・カーグレンでマット・コールマン氏によって観測されたもので、その直径は約38センチ(15インチ)にもなりました。
〇現代の雪の結晶写真家:ドン・コマレチカ
現代では、カナダの写真家ドン・コマレチカが雪の結晶の撮影に情熱を注いでいます。彼はデジタル写真を駆使して数千時間を費やし、2013年には『Sky Crystals: Unraveling The Mysteries of Snowflakes』を出版しました。この本には400種類以上の雪の結晶が収められており、撮影には2500時間、5年の歳月がかかっています。
2015年のインタビューで、コマレチカは「1つの雪の結晶を撮影するために平均40枚の写真を重ね合わせるフォーカス・スタッキングという技法を用いた」と語っています。この技法により、細部まで鮮明な雪の結晶の画像を得ることができました。
彼はカナダ王立造幣局に自身の写真を使用したコインの提案を何度も行い、2017年に「ザ・グレート・ホワイト・ノース」という雪の結晶コインが発行されました。このコインには、青いラメが施され、キラキラと輝く美しいデザインになっています。
さらに2023年には、カナダ王立造幣局は史上初の「六角形の形をした雪の結晶コイン」を発行しました。このコインは.9999の純銀で、表面にはスザンナ・ブラントがデザインしたエリザベス2世の肖像が、裏面にはコマレチカのデザインによる雪の結晶が白いクリスタルとともに刻まれています。
2024年には、スティーブン・ロザティによるチャールズ3世の肖像をあしらった六角形コインが発行され、裏面は再びコマレチカのデザインが採用されました。