PCGS グレーディング担当局より:モダンコインの課題 ~モヤかトーンか~
『From the Grading Room: Modern Problems』
https://www.pcgs.com/news/modern-problems
PCGS採点室より:モダンコインの課題「モヤかトーンか?」
現代および準現代のコインは、通常、初期のアメリカコインよりも保存状態が良いですが、それ独自の採点上の課題と複雑さがあります。20世紀には製造技術とコインの品質への関心が向上しました。そのため、初期アメリカコインに見られる取り扱いミスや不適切なクリーニングによる擦り傷は減少し、代わりに環境要因による劣化や、それによるグレード判断が主な課題となっています。ここではその代表的な例を紹介します。
・1937年マーキュリーダイム、PCGS PR65
ヘイズ(もや)や半透明の表面残留物は、トーンがない準現代プルーフコインのグレードを下げる要因となります。このマーキュリーダイムにはほとんどヘアラインや擦り傷は見られませんが、表面の不均一な変色が高グレード評価を妨げます。特に、シェルドンスケールの上位グレードでは、見た目の美しさが重要です。ヘイズはしばしば、重いトーニングのコインをディッピング(化学洗浄)した結果、金属表面が酸化してしまった際に発生します。このようなコインは手を加えず、そのままにするのが賢明です。
・1961年フランクリンハーフ、PCGS PR63
斑点(スポッティング)は、20世紀中頃のプルーフコインの表面でよく見られる問題です。長期間未開封のプルーフセットに保管されていたコインでは、反応性のあるゴミが封入されたことで円形または楕円形の厚い沈着物が生じることがあります。このフランクリンハーフのように、局所的で広がっていない斑点であればグレードは付けられますが、視覚的な欠点があるため、同等の斑点なしのコインより低い評価となります。斑点が広範または深刻な場合、審美的価値が著しく損なわれ、「環境による損傷(Environmental Damage)」と判断されることもあります。
・1998年-D ケネディハーフドル、PCGS MS65
プルーフから離れ、流通用(ビジネスストライク)のコインを見てみましょう。現代および準現代コインのグレーディングでは、「排出傷(ejection damage)」も注目すべき要素です。これは主に、鋳造後にコインがミントの機械を通る際に、デザインの高い部分(例:ケネディハーフドルの盾やワシントン・クォーターのワシの胸部)に並行に生じる擦り傷として現れます。低グレードでは問題になりにくいですが、MS65以上のグレードでは評価を左右する重要な要素です。掲載されたケネディハーフでは、盾の上部に北西〜南東方向の擦り傷が見られます。おそらくミント出荷時からこの状態だったと考えられますが、同等の状態で傷のないコインも多く存在します。
現代・準現代コインの収集は、趣味の中でも特に楽しく、手頃に始められる分野です。優れたコインは未開封のプルーフセットやミントセット、ロール、さらには地元の銀行でも見つけることができます。こうしたコインに特有のグレーディング要素に精通していれば、お得な買い物ができ、PCGSセットレジストリのスコアも上がるかもしれません。