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NGC社コラム 驚異の2000年サカガウィア・ドル

『Jeff Garrett: The Incredible 2000 Sacagawea Dollars』
https://www.ngccoin.com/news/article/14600/

『ジェフ・ギャレット:驚異の2000年サカガウィア・ドル』

●概要

アメリカ造幣局が最近、2000-W サカガウィア・ドル金貨(22金)を5枚オークションにかけ、それぞれ35万~50万ドルで落札された。この金貨は、かつて未公開だった希少コインであり、サカガウィア・ドルの短い歴史の中でも特筆すべき存在である。
また、発行25周年を記念して2025年に発売された新たな金貨7,500枚も即完売となった。

●サカガウィア・ドルの誕生(2000年)

旧スーザンB.アンソニー・ドルが25セント硬貨と紛らわしかったため、新しい金色のドル硬貨としてサカガウィア・ドルが登場。

1997年のドル硬貨法(Dollar Coin Act)に基づき設計変更。
銅の芯にマンガン真鍮(manganese brass)の外層を使用。

表面:ショショーニ族女性「サカガウィア」(デザイン:グレンナ・グッドエーカー)
裏面:飛翔するワシ(デザイン:トーマス・ロジャース)

〇2000年の多様な発行形態
サカガウィア・ドルは発行初年から極めて多くの特別版が存在し、コレクターにとって複雑なシリーズとなっている。

1.2000-P グッドエーカー贈呈版
発行数:5,000枚
最高鑑定:MS68(NGC)

デザイナーのグレンナ・グッドエーカーが報酬の5,000ドル分をこの新硬貨で受け取ることを希望。
造幣局長が警備官とともに直接彼女のスタジオに届けた。
鋳造初期に変色問題があり、特別なバーニッシュ(艶消し)仕上げが施された。
彼女は後に約3,000枚を1枚200ドルで販売したが、造幣局の抗議で販売中止。
残り2,000枚を著者ジェフ・ギャレットが購入し市場に流通させた。
グッドエーカーのデザイン資料はのちにスミソニアン博物館に寄贈された。

2.2000-P「チアリオス・プロトタイプ」
発行数:5,500枚
特徴:尾羽根が「斜め線(初期金型)」
背景:シリアル「チアリオス」1箱ごとに2000箱に1枚の割合で同梱(販促用)
2005年、コレクターがNGC鑑定に出すまでこの特異なデザインは認識されていなかった。現存数は少なく、オークションでは数千ドルで取引される。

3.2000-W サカガウィア金貨
発行:39枚(うち12枚現存)
22金製/試作リバース(金型)
12枚はスペースシャトル「コロンビア号」で飛行(総飛行距離180万マイル)
後にフォートノックスで保管、2007年のマネーフェア(ミルウォーキー)で展示。
2025年、うち5枚がオークションで再登場。

4.2000-P 通常版
発行数:7億6714万枚
多くはエクアドルに輸出・流通

5.2000-D 通常版
発行数:5億1891万枚
保存状態が良いものは少ない

6.2000-D バーニッシュ(ミレニアムセット)
発行数:75,000枚
「ミレニアム・コイン&カレンシー・セット」限定
内容:2000年イーグル銀貨+2000-Dサカガウィア+1ドル札(シリアル「2000」)

7.2000-S プルーフ版
発行数:4,047,904枚(銀/クラッド含む)
最高鑑定:PF70 Ultra Cameo

〇その他の特別発行・エラー

フィラデルフィア造幣局やデンバー造幣局でのVIP打刻式コイン(極めて稀)。

重大ミントエラー:
「ワシントン25セント表面+サカガウィア裏面」のハイブリッド硬貨。
→ 故意の製造とされ、2名の造幣局職員が逮捕。
→ 返還要求はなく、現在でも高額取引されている。

●総評

サカガウィア・ドルの初年度(2000年)は、アメリカ造幣局が紙幣に代わる流通硬貨を模索した実験の集大成だった。

結果的にドル硬貨は普及しなかったが、今日ではその多様なバリエーションとストーリーがコレクターにとっての宝物となっている。